メッキはとにかくやさしく磨く・バイクのメッキを美しく保つ方法

バイクのパーツはむき出しであることも多いので、そもそもデザイン的にも大切な要素なのですが、やはり高級感などを演出する要素としては、クロムメッキが施されたパーツが一番手に挙げられます。しかし、メッキは意外にもかなりデリケート。このメッキを美しく保つためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。この記事では、バイクのメッキパーツを美しく保つ方法についてご紹介していきます。

バイクのメッキを美しく保つ方法

メッキ加工

バイクにたくさん使われているメッキパーツ。メッキパーツは、バイクの雰囲気を表現する、特に高級感を演出するためには欠かせない存在です。特にクロムメッキは、金属感、そして鏡のように美しい反射が、何かセクシーな雰囲気を感じさせるほどに魅力的です。しかし、そんなクロムメッキですが、手入れを怠るとサビやくすみが発生して見栄えが悪くなってしまいます。やはりメッキパーツは、普段のメンテナンスが大切なのです。ここからは、そのメッキパーツを美しく保つ方法についてご紹介します。

まずはメッキのことを知る

メッキは、メッキ対象物に金属の薄い皮膜を作る表面加工技術です。メッキ対象物に装飾性と機能性を与えることがメッキの主な役割だとされています。地球上に文明が初めて発展した大昔に端を発する技術であるメッキですが、現在も我々の生活と共にあり、さまざまな方面に応用されています。たとえばスマートフォンなどの基板には、メッキの技術が使われています。 バイクのパーツに施されるメッキの多くは、装飾性のほかに、主に下地となる金属を腐食から守る役割をこなしています。メーカーの純正品にもメッキパーツはたくさん使われていますが、社外品のドレスアップパーツになると、さらにその数は増えます。装飾目的のメッキは、ほとんどの場合、クロムメッキです。ただ、アルミ合金やスチールのほか、樹脂にメッキ処理を施す場合もあります。

主なメッキ

・クロムメッキ
バイクや車のエクステリアに使用されることの多い、とても美しく、強度も高いメッキです。
・金メッキ
クロムメッキと同じ工程で作られますが、最終工程にて金をメッキします。
・亜鉛メッキ
亜鉛は耐食性が強いため、このような強度が必要とされる箇所に使用されます。見た目が地味なので装飾用に使われることがほとんどありません。
・銅メッキ
クロムメッキの下地として使われることが多いのが、この銅メッキです。通電性が高いため、基板にもよく採用されています。装飾用に使われることはほとんどありません。

メッキパーツの磨き方とポイント

メッキ加工

バイクの美しさを決めると言っても過言ではないメッキパーツ。そのメッキパーツの磨き方には、押さえておくべきポイントがあります。

力を入れない

メッキは、日々の手入れを怠るとサビが発生してしまうことがあります。しかし、一度発生してしまったサビは、力を入れて擦ってもなかなか落ちません。サビ落としをする場合はメッキクリーナーを使用しますが、力を入れずにやさしく磨くことが大切です。

ケミカルを使い分ける

メッキの傷みの程度(サビの程度)により、ケミカルを使い分けます。基本的には目の細かいケミカルを使い、やさしく手入れしますが、場合によっては少し粗めのものを選んでもいいでしょう。ただし、メッキの皮膜はひじょうに薄いので、細心の注意を払って作業を行う必要があります。

ワックスで保護

メッキパーツがきれいになったからといってそのままにすると、結局、サビが再発してしまいます。一度、出現したサビはなかなか止められませんので、定期的なメンテナンスはやはり欠かせません。手入れが終わった後は、メッキパーツにワックスを塗布しコーティングします。磨き上げたらワックスでコーティング。サビや傷に対する、最も重要な予防策です。

やっぱり錆びさせないことが大切

ひじょうに美しくパーツを飾ってくれるクロムメッキですが、実はクロムメッキにも短所があります。クロムメッキは、硬質ではありますが、その皮膜はひじょうに薄く、さらに肉眼では確認できないものの、極小の穴が開いています。この極小の穴から、どうしても水分や油分が下地まで入り込んでしまうことがあり、表面ではなく下地にサビが発生することにより、ひどくなるとメッキの浮きやハガレが出てきてしまうのです。ということで、クロムメッキそのものは丈夫でも、その弱点である極小の穴を埋めることがクロムメッキのお手入れの肝になるのです。すでにワックスで保護する必要性についてはお話ししましたが、市販のメッキ保護材を使って穴を埋めることで、サビの原因物質を徹底ガードしましょう。

サビが出てしまったら

メッキに小さなサビが浮いてしまったら、市販のサビ取り剤を使ってサビ落としをしましょう。小さい内なら、サビ取り剤で取り除くことができますが、見るからに進行してしまった場合、通常は再メッキということになります。
メッキはさまざまな素材に施すことができますが、バイクパーツの場合は、スチールやアルミに施す場合がほとんどです。材質によっては熱膨張の関係で、メッキを施した後に気泡ができてしまうことがありますが、スチールやアルミの場合はほとんど心配する必要はありません。ひどいサビの発生などで再メッキが必要になった場合はそのまま業者に依頼しても問題ありませんが、ほかの材質のパーツに交換してメッキを依頼する場合は、マグネシウムやチタンなどが含まれているとメッキにより気泡が発生する可能性があるので注意が必要です。

メッキパーツのお手入れにおすすめの市販製品

メッキ加工

ご説明してきたとおり、メッキパーツは普段のお手入れと予防が大切です。市販のワックスや研磨剤などで、メッキパーツのお手入れにおすすめのものをご紹介しておきましょう。

耐熱ワックス

バイクはエンジンがむき出しになっている場合も多く、メッキパーツも大いに熱の影響を受ける場合があります。そんなバイクには、耐熱ワックスがおすすめです。耐熱ワックスは各社から販売されていますが、つや出しや効果があるものや、サビを防ぐ樹脂などが配合されているものがおすすめです。それほど熱の影響を受けない場所なら、スプレータイプのコート剤などを使用してもいいでしょう。

ケミカル

クロムメッキ用のケミカル剤も各社から販売されていますが、なるべく粒子が細かく、力を入れなくても伸びやすい液体タイプが使いやすいでしょう。磨き剤とクリーナー、コートもすべて入ったオールインワンタイプがおすすめです。
また、コンパウンドも各社から販売されていますが、「クロムメッキ対応」「なるべく粒子が細かいもの」で選びましょう。ただ、コンパウンドは粒子が粗めのものが多いので、こういうタイプはあまり仕上げには適していません。しかし中には微粒子タイプの製品もあるので、このようなものであれば、メッキのピカピカ仕上げにぴったりです。
市販のケミカルでメッキをお手入れする場合も、忘れてはいけないのは力を抜いて作業をすることです。表面の傷みの状態に応じて、なるべく粒子の細かい製品を選ぶよう心がけましょう。ちなみに、家庭に常備されているオールラウンドタイプの金属磨きは、クロムメッキなどのお手入れには、粒子が大きすぎて向かないので悪しからず。
日頃のメンテナンスとコーティングでバイクのメッキを保護して、充実したツーリングライフを送りましょう。

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メッキはとにかくやさしく磨く・バイクのメッキを美しく保つ方法

メッキはとにかくやさしく磨く・バイクのメッキを美しく保つ方法

バイクのパーツはむき出しであることも多いので、そもそもデザイン的にも大切な要素なのですが、やはり高級感などを演出する要素としては、クロムメッキが施されたパーツが一番手に挙げられます。しかし、メッキは意外にもかなりデリケート。このメッキを美しく保つためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。この記事では、バイクのメッキパーツを美しく保つ方法についてご紹介していきます。

バイクのメッキを美しく保つ方法

メッキ加工

バイクにたくさん使われているメッキパーツ。メッキパーツは、バイクの雰囲気を表現する、特に高級感を演出するためには欠かせない存在です。特にクロムメッキは、金属感、そして鏡のように美しい反射が、何かセクシーな雰囲気を感じさせるほどに魅力的です。しかし、そんなクロムメッキですが、手入れを怠るとサビやくすみが発生して見栄えが悪くなってしまいます。やはりメッキパーツは、普段のメンテナンスが大切なのです。ここからは、そのメッキパーツを美しく保つ方法についてご紹介します。

まずはメッキのことを知る

メッキは、メッキ対象物に金属の薄い皮膜を作る表面加工技術です。メッキ対象物に装飾性と機能性を与えることがメッキの主な役割だとされています。地球上に文明が初めて発展した大昔に端を発する技術であるメッキですが、現在も我々の生活と共にあり、さまざまな方面に応用されています。たとえばスマートフォンなどの基板には、メッキの技術が使われています。 バイクのパーツに施されるメッキの多くは、装飾性のほかに、主に下地となる金属を腐食から守る役割をこなしています。メーカーの純正品にもメッキパーツはたくさん使われていますが、社外品のドレスアップパーツになると、さらにその数は増えます。装飾目的のメッキは、ほとんどの場合、クロムメッキです。ただ、アルミ合金やスチールのほか、樹脂にメッキ処理を施す場合もあります。

主なメッキ

・クロムメッキ
バイクや車のエクステリアに使用されることの多い、とても美しく、強度も高いメッキです。
・金メッキ
クロムメッキと同じ工程で作られますが、最終工程にて金をメッキします。
・亜鉛メッキ
亜鉛は耐食性が強いため、このような強度が必要とされる箇所に使用されます。見た目が地味なので装飾用に使われることがほとんどありません。
・銅メッキ
クロムメッキの下地として使われることが多いのが、この銅メッキです。通電性が高いため、基板にもよく採用されています。装飾用に使われることはほとんどありません。

メッキパーツの磨き方とポイント

メッキ加工

バイクの美しさを決めると言っても過言ではないメッキパーツ。そのメッキパーツの磨き方には、押さえておくべきポイントがあります。

力を入れない

メッキは、日々の手入れを怠るとサビが発生してしまうことがあります。しかし、一度発生してしまったサビは、力を入れて擦ってもなかなか落ちません。サビ落としをする場合はメッキクリーナーを使用しますが、力を入れずにやさしく磨くことが大切です。

ケミカルを使い分ける

メッキの傷みの程度(サビの程度)により、ケミカルを使い分けます。基本的には目の細かいケミカルを使い、やさしく手入れしますが、場合によっては少し粗めのものを選んでもいいでしょう。ただし、メッキの皮膜はひじょうに薄いので、細心の注意を払って作業を行う必要があります。

ワックスで保護

メッキパーツがきれいになったからといってそのままにすると、結局、サビが再発してしまいます。一度、出現したサビはなかなか止められませんので、定期的なメンテナンスはやはり欠かせません。手入れが終わった後は、メッキパーツにワックスを塗布しコーティングします。磨き上げたらワックスでコーティング。サビや傷に対する、最も重要な予防策です。

やっぱり錆びさせないことが大切

ひじょうに美しくパーツを飾ってくれるクロムメッキですが、実はクロムメッキにも短所があります。クロムメッキは、硬質ではありますが、その皮膜はひじょうに薄く、さらに肉眼では確認できないものの、極小の穴が開いています。この極小の穴から、どうしても水分や油分が下地まで入り込んでしまうことがあり、表面ではなく下地にサビが発生することにより、ひどくなるとメッキの浮きやハガレが出てきてしまうのです。ということで、クロムメッキそのものは丈夫でも、その弱点である極小の穴を埋めることがクロムメッキのお手入れの肝になるのです。すでにワックスで保護する必要性についてはお話ししましたが、市販のメッキ保護材を使って穴を埋めることで、サビの原因物質を徹底ガードしましょう。

サビが出てしまったら

メッキに小さなサビが浮いてしまったら、市販のサビ取り剤を使ってサビ落としをしましょう。小さい内なら、サビ取り剤で取り除くことができますが、見るからに進行してしまった場合、通常は再メッキということになります。
メッキはさまざまな素材に施すことができますが、バイクパーツの場合は、スチールやアルミに施す場合がほとんどです。材質によっては熱膨張の関係で、メッキを施した後に気泡ができてしまうことがありますが、スチールやアルミの場合はほとんど心配する必要はありません。ひどいサビの発生などで再メッキが必要になった場合はそのまま業者に依頼しても問題ありませんが、ほかの材質のパーツに交換してメッキを依頼する場合は、マグネシウムやチタンなどが含まれているとメッキにより気泡が発生する可能性があるので注意が必要です。

メッキパーツのお手入れにおすすめの市販製品

メッキ加工

ご説明してきたとおり、メッキパーツは普段のお手入れと予防が大切です。市販のワックスや研磨剤などで、メッキパーツのお手入れにおすすめのものをご紹介しておきましょう。

耐熱ワックス

バイクはエンジンがむき出しになっている場合も多く、メッキパーツも大いに熱の影響を受ける場合があります。そんなバイクには、耐熱ワックスがおすすめです。耐熱ワックスは各社から販売されていますが、つや出しや効果があるものや、サビを防ぐ樹脂などが配合されているものがおすすめです。それほど熱の影響を受けない場所なら、スプレータイプのコート剤などを使用してもいいでしょう。

ケミカル

クロムメッキ用のケミカル剤も各社から販売されていますが、なるべく粒子が細かく、力を入れなくても伸びやすい液体タイプが使いやすいでしょう。磨き剤とクリーナー、コートもすべて入ったオールインワンタイプがおすすめです。
また、コンパウンドも各社から販売されていますが、「クロムメッキ対応」「なるべく粒子が細かいもの」で選びましょう。ただ、コンパウンドは粒子が粗めのものが多いので、こういうタイプはあまり仕上げには適していません。しかし中には微粒子タイプの製品もあるので、このようなものであれば、メッキのピカピカ仕上げにぴったりです。
市販のケミカルでメッキをお手入れする場合も、忘れてはいけないのは力を抜いて作業をすることです。表面の傷みの状態に応じて、なるべく粒子の細かい製品を選ぶよう心がけましょう。ちなみに、家庭に常備されているオールラウンドタイプの金属磨きは、クロムメッキなどのお手入れには、粒子が大きすぎて向かないので悪しからず。
日頃のメンテナンスとコーティングでバイクのメッキを保護して、充実したツーリングライフを送りましょう。

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